『X-ミッション』『ワイルド・ルーザー』の感想(ネタバレアリ)

ライチ☆光クラブ』『スティーブ・ジョブス』等も候補にありましたが時間の都合もあったので。
ていうか前者は梅田ブルク7じゃ27日からだったか…。
因みに登場する車のまとめはこちらです。需要がどれ程かわかりませんが一応載せておきます。

こちらの記事のコメントと書いた内容と被りますが観賞するにあたってエスクトリームスポーツを目的にしておりそしてその点において個人的には裏切られることがなかったのでその意味では不満はなかったりします。
ビルからバイクでダイブ*1、パラシュートなしで飛行機からのダイブ*2、大波の上でのサーフィン、モモンガのようなスカイスーツでの滑空、雪山でのスノボ、そして予告にもある滝壺へのダイブなど、予告の時点で「す、すげえ…」が思ってた印象が3Dで観たこともあってさらに強くなりました。
また、エンドロールはかなり長いですがこれは携わったアスリートが多いからなのでこれも一種の勲章と言えるかもしれません。

あと、元ネタの『ハートブルー』未見でそっちとの違いがいかなるものか把握してないですが少なくとも本作の方を観た分では『ワイルド・スピード』1作目を思い出しました。
あちらも「主人公である警官と犯罪者との友情*3」「主人公が警官としての任務と友情の板挟みで苦しむ」「主人公がヒロインと恋に落ちる*4」「主人公が途中で自らの素性を明かし*5対峙する」「ラストに主人公が相手を捕まえず放免する」といった点が共通してるように感じますがこれについては本作の撮影・監督を務めるエリクソン・コア氏がワイスピシリーズの撮影を手掛けていることに加えワイスピも『ハートブルー』の影響を受けた作品と言われているので割と納得できます。

ただ、どうしても気になるところがありました。
「これまで何人犠牲にした?」と主人公のユタが述べていることついて、一味のリーダーであるボーディの仲間が次々と命を落としていったことを指しているのは言うまでもないですし発端という意味では間違いではないでしょうが、サムサラが死んだのはユタがボーディと間違って射殺したからですし、グロメは元々断崖絶壁を登らずにボーディを観てたのにそこにユタが現れたものだから追い詰められて登りそして結局駄目だと諦め手を放した*6ので少なくともこの二人の場合はボーディより寧ろユタの所為ではないかと…。
なお、当初はチャウダーがユタのラインについていこうとして誤って滑落死したのでユタのせいで死んだと思ってましたが後にラインについていったのはグロメの意志によるものでユタは安全なラインを提示していたとの指摘を受け訂正しました。ただそれはそれでボーディじゃなくてグロメの所為ってことなのでボーディに言ってどうする感が…。
ただ金鉱爆破に関してはボーディが起爆スイッチを押していたのでそれこそボーディの所為に間違いないでしょう。
あと、「規律が欲しい」という理由でFBIに入ったユタですが「潜入したはいいが一味と共にエクストリームスポーツに興じている」ってなってて「魅せられたから一緒にやってるんだなあ」って思うところはあるのですがFBI捜査官としては褒められたものじゃありません*7。しかも犯罪集団の一味であるヒロインと情事を行いそれを上司にすっぱ抜かれますし*8有能とは言えないでしょう。
尤も、ユタの場合元々が野に放ったゴリラみたいなもので懐柔されるのは想定できたのだからむしろ無管理で放った上司の責任ではないかとの意見もあり、それも一理あると言えますが。ていうかユタを信じた上司より信じてない上層部の方が結果的に間違ってなかったですよ。
そして極めつけはユタがボーディと初めて出会った場所で最後の対峙をする場面で確保しようとしますが最後は放免し大波でのサーフィンをヘリコプターから見届けます。これに関しては「やはりユタがボーディに共感を持っていたんだな。死ぬかもしれないが共にエクストリームスポーツをやったのを通じて止めるわけにはいかないと感じたのだろう」と思ったのでそこまで不思議とは思わないのですが問題はボーディの姿が見えなくなった後でユタはヘリの操縦士に銘じて万事解決みたいな感じになってるのが自分も気になりました。
比べるのも野暮ですが、ワイスピの場合最後のバトルで愛車を大破させてしまったドミニクに対しブライアンは任務より友情を選択し愛車を渡し逃がしています。このときブライアンは警官の職を追われるのをおそらく覚悟していたでしょうし現に追われています。また、4作目においてもドミニクに逃げるよう言ったり、5作目冒頭ではドミニクの乗った護送車を襲撃したりしており、やはりこちらも職を追われています。
いやワイスピ抜きにしても普通は犯罪者を見逃せばペナルティを負うものだと思うのですが本作の場合何故か職を追われてませんし、しかもその前にも失態続きにもかかわらずFBIの証明書まで得ているので「それはおかしくないか」と思えてしまうのです。
もっとも、彼のような分野の人間があまりいないから、とかの背景があるのかもしれませんが。しかしそうだとしてもやはり辞職させられるんじゃないのでしょうか。
エンドロールに関しても一種の勲章と言いましたが長いのがダラダラ13分半に渡って出るだけで工夫がないのできつくなったら帰ってしまった方がいいかもしれません。
そういうのがあるので「Rotten Tomatoes」の評価が10%だったことについて自分は納得してしまいましたが元々の目的が裏切られてないこともあり観たことは公開してないですし「ストーリーはどうでもいいからアクションを」って人ならもしかしたら大丈夫かもしれません。ただし保証はできません。

あと『ワイルド・スピード』1作目を思い出したと言いましたがこれと似たような邦題の『ワイルド・ルーザー』*9という作品も地味に頭をよぎったりしてます。
といっても「主人公をはじめとしてほとんどの登場人物の行動原理がちょっと…」って意味でですが。好きな人には申し訳ないですし完全にとばっちりですが一般的な評価がどんなにクソな映画でもアリとして観られる自分でもノれなかったんです…。

邦題が邦題なのでカーアクション目当てに観てそして裏切られたものの「もともとそういう趣旨の映画じゃないんだろう」と割り切りましたしそれなりにはあるんですがあくまで「それなり」です。期待したら裏切られる可能性が高いです。
ただ自分がホントに不満なのはそこじゃなくて登場人物がどうかしてることのほうです。
主人公のミケルに関しては元々は美人局の窃盗犯のカモだったのが一味である女性・アリと恋に落ちた挙句元々いた婚約者を捨てただけでなく後に金が必要になった際には元婚約者のところに強盗しに行くとか…こいつは心底最低な男だと思いました。
元婚約者が可哀想すぎるしそりゃ罵られますよ。ていうか作中でまともだったのは彼女ぐらいしか思いつかないです。
アリに関しても窃盗団のパートナーであるナーバスが恋人なのにもかかわらず歯牙にもかけずミケルの方に入れ込んでるし…。まあこちらの場合ナーバスに嫌気さすのもわかる気がしなくはないのですがミケルだって先述のとおり中身が最低な人間性だしどっこいどっこいにしか見えないです。
あと人の好みにいちゃもんつけるのもどうかと思いますが元々の婚約者を捨てて乗り換えるほどの女なのでしょうか…。殆ど淫売に近いっていうかヤリすぎ。
婚約者がまとも過ぎてつまらない中で刺激的な女に出会って…ってことなのかもしれませんがやはり婚約者の立場はどうなるんだと。
ナーバスに関してもそもそも窃盗犯やってるのは金欲しさっぽいですがそれが高じて賭けレースをやって負け挙句アリに捨てられて相手に金が払えずボコられ人質に取られそしてミケルとアリに身代金を要求された結果ミケルは元婚約者のところに強盗することとなります。
元婚約者のところに強盗に行くミケルも最低ですが元はと言えばこいつの所為では…。しかも解放されると身代金を独り占めしようとします。
がめついにも程があります。結局ミケルに足を撃たれミケルはアリと共に旅立つことになったのである意味自業自得感はしますが。
ただ…ハッピーエンド風に見せてますがミケルとアリに関してはこれまでの所業的に「そんなわけあるか!」って思います。さっさと警察に捕まってどうぞ。

なんていうか犯罪者としてカリスマ性もなくレースも盛り上がらず登場人物も一部除いて最低な輩ばかりで同情できないのでノれなかったです。
ポルシェ・パナメーラターボをはじめとしていろいろな高級スポーツカーが観られたことと濃厚なセックスシーンがあったのは俺得ですが肝心のレースは先述のとおり盛り上がってないです*10しセックスシーンも修正が加えられてたそう*11なので「いったい何がしたいんだ」と。

以上ですが失念してるところなどあれば御指摘もらえればありがたいです。

*1:なお、パラシュートはつけてます。「パラシュートで助かるのか」との意見がありますがバイクは捨ててたと思うのでそれなら問題はなさそうです。ただそうなると下を歩いてる人が危険ですが。

*2:これに関しては森林の中の穴にピンポイントで落ち入ってからパラシュートを開いたので厳密にはなしではないですがそれにしたってすごいと思いました。

*3:4作目もある意味そうですが4作目こそ本作同様FBIの人間なのが1作目はロス市警という差はあります。

*4:あちらの場合本作みたく死ぬことなく最終的に結婚して子供を持つことになりますが

*5:ただ本作はエコテロリストに近い行動をしようとしたからなのに対しワイスピでは窃盗団の命にかかわるからという違いがありますが

*6:これに関しては当初は勝手にやって勝手に落ちたと解釈してましたが後にそうじゃないと思い直しこの考えに。

*7:それだけ一緒にいるなら、最初の方は物証不足で手が出せないとしてもその後は捕まえるチャンスはあったと言われても仕方がないでしょう。

*8:上司の方は感性がまともなんですけどねえ…

*9:因みに原題は『COMBUSTION(発火)』

*10:予告冒頭のシーンにしたってラストにちょこっとあっただけでしたし…

*11:自分はDVDで観ましたが修正されずおっぱいがモロでした