『64ロクヨン』の簡潔な感想

※7月6日に書いた記事に加筆を加えています。

5月7日に前編を、7月3日に後編を観てきたので簡潔ですが感想を述べようかと*1
あ、トヨタ車が地味に多かったのでみんカラの方でも記事を書いてます。

本編に関しては前編は高評価が多く後編は低評価が多いそうです*2が自分も見事それが当てはまりました。

前編に関しては割と好きだったりします。特に佐藤浩市氏演じる主人公の三上さんが、窪田正孝氏演じる「ロクヨン」事件に携わるもその時のミスにより引きこもってしまった日吉さんに「君は悪くない」と手紙を伝言を残したくだりが印象に残っています。
あと、とある交通事故の加害者実名を明かすか否かでもめてる記者クラブに対してその事故の被害者のことを語り心を動かすくだりも好きだったりします。とはいえ否定的意見を述べてる方の「これだと」「そもそも記者クラブのくだりがなければ前後編に訳なくて済んだのでは」という意見はかなり御尤もだなあ、って思います。考えたら確かに「ロクヨン」より記者クラブとの対立の方が多かった感はあるなあ…。ただその是非はともかくとして原作の展開は沿ってるとの意見も聞かれるので何とも言えないですし自分は「『ロクヨン』関連の話題以外の比率が多いけどこれはこれで、だし後編で裂くんだろう」「原作者が上毛新聞社記者だったからかなあ」程度に思ってましたが。
それ以外では、こちらも「このくだりいらなかったんじゃないか」という意見はありますが三上さんが記者クラブだけでなく上層部からも不当*3を強いられており「この人大変そう」って思いました。

(7/21追記)
あと、観て暫く経ってから作品で描きたかったのはロクヨン事件そのものではなく「人と人とのつながり」で、ロキョン事件はそれを引き立たせる要素程度なのかなあ、と思いました。
何れにせよロクヨン事件そのものを目当てに観る場合蛇足には変わりないでしょうが。


後編に関しては前編と比べると「ロクヨン」事件に裂いてはいますし*4、「父と娘」のテーマも結構好きなのですが…*5。肯定派の方にはすみません、微妙でした。
一番気になったのは怒号が前編に増してすごく多いことです。自分も短気なので観てて「人のことは言えないけど…」と思いつつも「いくら自分でもあそこまでやらないわ」「お前ら怒りを抑制する方法の啓発本読め!」って思いましたよ。
あと、台詞も「これは口で言わずに演技で魅せた方がよかったんじゃないか」と思えるものがあったように感じられたので。予告編の時点で不安は抱いていたのですが見事に命中してしまいました。
しかもラストは「みんながこの先希望に向け進んでいく…」という感じになってるのは割と好きなのです*6が、その前にロクヨン事件の真犯人がその娘の前で逮捕されてしまったのは心に傷を残しそうですし犯罪者の娘として心無いいじめ等に遭ったりで絶望に進んでいくんじゃないかという心配があるのでそこが引っ掛かってしまうのです。彼女に救いはないんですか!?とりあえず三上さんは捜査車両じゃなくて別の場所に犯人の娘を匿うべきだったのではないのでしょうか。そうすれば中からキーロック解除して外に出て父親の確保の瞬間を目にしてしまう、という悲劇は起きなかっただろうに。
あと、ポスターで「傑作」と自称してるのですが…そういうのは自称するもんじゃなくて観客が判断することかと。
いろいろ小道具に力を入れてたそうです*7しチャチだけどカーチェイスが観られたのは個人的にはいいのですがいかんせん「もっと力を入れるべきところがあっただろ」感はしますし、よく観たらモブ等において手抜かりはあったので*8

原作・ドラマ未見なのでもし目を通してからだったら印象が変わってたかもなあ、って思います。特にピエール瀧さん主演のドラマ版は高評価みたいですし「そちらも関心はあるので観てから劇場版を観賞しよう」と思ったぐらいですし((余裕がなく結局できませんでしたが))。

とまあ、以上です。半ば小並感な感じですみません。

*1:レビューは自分がやるのも烏滸がましいので勘弁してください。まあ、誰もやれとは言ってませんが。

*2:なお、あるサイトでは支持率は7月6日時点で前編78%、後編48%のところも。

*3:ある意味記者クラブの方が論旨的にはマシかもしれんと思ったことも…

*4:そりゃ完結編なので当たり前ですがなんにせよ予想は当たったようで

*5:予告にもある「刑事はそんなことも解らないのか!」の激昂もそういうことですし

*6:とんどのくだりとか。尤も、これに関しては地元でも成人の日に小学校の敷地でやってるのに参加してることから馴染みを感じたというのもあるのですが

*7:パンフレットによれば、例えば小道具においては「昭和61〜63年製」「群馬全域に設置されていた」「今でも通電して使用できる」緑電話を探したり、カーコレクターから貴重な旧車を借り受けたりしていたとか。また、かなり旧い物より近い過去のものの方が廃棄処分されて入手しにくいとのこと。

*8:例えばモブ車両が平成14年時点で存在しないものが走ってたりとか。前編では気づかなかったのですが後編では気づいてしまって「徹底するのならそこで脱力すんなよ」ってなりました。