表現規制についてふと思った

正直、若干愚痴っぽくなりますがふと表現規制について考える契機となったので書かせていただきます。
因みに自分は表現規制反対派です。

前置きとなりますが、とあるバラエティを観てる際、母から父の相棒に対する評価があまりよろしくないことを聞き「まあ別に好きだろうが嫌いだろうが構わないけどどれぐらい把握してるのかわからんので説明しよう」ということでこの時同じ部屋に居合わせていた父に
「面白いと感じようが面白くないと感じようが勝手だし自分としても亀山さんの頃の末期の頃から徐々にクオリティは下がってるだろうけど*1売りとしては『登場人物のキャラが立ってる』『コミカル回もシリアス回もある』『時として現代問題にメスを入れて視聴者に考えさせる』と自分は思ってるしちょっとだけ見て判断したなら早計では」と一応説明しました*2
それに対する父曰く「別に『相棒』を否定してるわけじゃないけどそれに限らず自分自身が暴力や殺人の描写が苦手だから…」とのことでした。まあ苦手ならしょうがないけど…大体想定できることなのだからそれなら最初から刑事ドラマは避けておくというのが一番いいと思うのですが…。制作側は兎も角視聴者側は「嫌なら見ない」権利を行使していいでしょうし態々苦手なジャンルに踏み込んで批判する事もないのでは、と思ってしまいます。
ただ、そのあと「『相棒』に関してはあまりよく知らない」と述べたのを聞いたとき、全体的に観てからならともかくちょっとしか見てないのに評価するのは本質が見えなかったり論点のずれた評価になるからやらないほうがいいのでは、って思ってしまいました。
家政婦のミタ」を最終回しか見ずに評価してバッシングされたつるの剛士さん(ファンの方には申し訳ございません)のように、碌に見ず評価した結果周囲の自分に対する評価がダウンする例もあるので自分なら全体観てから評価するようにしてます*3

で、ここからが表現規制についてふと考える契機となったことですが、「巷に起こる暴行・殺人はテレビとかでの描写で無意識に脳内に刷り込まれてるのが要因なのでは」との持論を父は述べていたのです。
それについては少なくとも「自分が見たくないから」規制する人たちよりは一理あると思います*4
良心や倫理観がありどんな描写を見せられても犯罪を起こさない人が殆どだと思いますが全てがそうだというわけじゃないですから。もしすべてそうなら川崎市の河川敷で中学生を殺害した輩のチームがイスラム国をなぞらえた「川崎国」を作ったりとか、「官邸の屋上にドローンが飛来したと言うニュースをみて自分もドローンを飛ばしてみたくなった」人が現れた、等の事態は起こるはずが無いでしょう。そういうこともあり、テレビ等の表現のせいで犯罪が引き起こされる例も実際あると言われても完全に否定する気はないです。

しかし、そこでやるべきは表現規制より「こういう描写の真似をしないように」「『何が是で何が非か、そしてその理由は何か』といった本質」をしっかり教えることでしょう*5。でないと規制しても無意味でしょうし現実で犯罪に遭遇した時に対処法がなかったら…なんてことも考えられますから。
鋏だって使い方を誤れば怪我しますが危険だから触らせないと使い方を知らずに突き進んでいってしまいますしそれよりかは正しい使い方をしっかり教え込めばいいでしょうしそれと同じことが表現規制に於いてもいえると思います。

それと、仮に規制したとしてです。確かに防げるものもあるでしょうしトータルで犯罪件数が減る可能性も必ずしも否定できないかもしれません。ですが、「ゲームの世界で踏み留まってるお陰で現実世界で犯罪を働くことなくやっていけてる」という例も耳にすることがあるので逆に規制したことでそういった逃げ道が無くなった結果現実世界で犯罪が引き起こされ却って件数が増える可能性もまた必ずしも否定できないと思うのです。なので「規制すれば犯罪件数は減る*6」と決めつけるのはあまりに危険ではないかと。

表現規制の所為で作品の質を悪くする可能性もあるでしょう。「表現規制に晒されながらも規制下であれこれ頑張った結果良作ができた」という例が現れる可能性もあるかもしれませんが現実的にはそんな例は聞かないです。それに先述の本質的意味もあるのでそういう問題でもないのかもしれません。

自分の場合頭に血が上って「あのドラマの描写みたいな感じで痛めつけてやろうかなあ…」って漠然と思い浮かんだりすることが稀にありますが「だがそれをやれば犯罪者だ」という意識があるのでその度に踏み留まってますし、走り屋系の作品をどんなに観ても「道交法違反だし自分はやめておこう」ってなります*7。なので繰り返しになりますが「何が是で何が非か」といった倫理観*8が犯罪の道を踏み外さないために皆が持たねばいけないのでしょう。

上手く伝わってるかどうか不安ですが以上です。前置きが長くなってる上に顔色を伺っていると捉えられてもおかしくない表現となって申し訳ございません。

*1:好きな方には申し訳ございません。自分は基本どのシーズンも楽しんで観てる口ですがそれでも昔の頃の方がと思うことがあるもので

*2:やんわりとやったつもりですがもしかしたらきつい口調になったかもしれないのでその場合は父に対して申し訳ないです

*3:できてる自信はないですが…。そもそも評価じゃなく感想だし

*4:その場合やるべきことは観たくないものを規制するのではなく観るのを避けて通ることかと

*5:これに関してはある程度デカくなったら手遅れの可能性が大ですがそれでもやるだけやるべきかと。

*6:逆に「増える」でも言えることでしょうが

*7:自分の場合ドラテクがないのもありますが、「サーキットではかっ飛ばしまくってるけど公道では超模範的」であるレーシングドライバーの例があるのでそういう問題でもないでしょう。

*8:ただ、「何が是で何が非」かは半ば十人十色な面もあるのかもしれないですが。あと、自分の場合それ以上に「犯罪者になりたくない」という思いのほうが先行してる気がしますが、例えば殺人がなぜ犯罪かといえば「他人の人生を奪う権限なんてない」からなのでそういう意味でも。